
「ただ闇雲に突っ走ればいいってもんじゃない。要は魂さ」
アンガス・ヤングの人生訓である。
1959年、スコットランドのグラスゴーで生まれたアンガス・ヤングが、まだごく幼い頃、1963年にヤング一家はオーストラリアのシドニーへ移住した。
アンガス兄弟は上からジョージ・ヤング、マルコム・ヤング、アンガス・ヤング。
まず、長男のジョージ・ヤングがイージー・ビーツというバンドを結成し、当時ミュージック・シーンが確立されていなかったオーストラリアで一大旋風を巻き起こす。
このときアンガス・ヤングはまだ7歳であったが、間接的にミュージック・ビジネスに浸っていたわけだ。だから、ジョージの影響下、次男マルコムと三男アンガスもごく自然にギターに接することとなる。
ジョージによってマルコムがギターを習い、さらにマルコムはアンガスにギターの手ほどきをする。だが、習い始めこそマルコムに追いつけ追い越せだったアンガスは1~2年も経つとマルコムを超えてしまう。
とりわけ当時からアドリブに長け、独自のコードを次々に作り出し自らのスクール・バンドの演奏に活用したそうである。
因みに長男ジョージ(SG)は、イージー・ビーツのハリー・ヴァンダ(LG)とともに、後にAC/DCの初期アルバムのプロデュースを手がけることとなる。

1973年、アンガスの中学校卒業と同時に、マルコムはそれまで活動していたブギー・バンドを脱退し、12月31日アンガスと共に
AC/DCを結成する。
当時から爆音で演奏していた彼等を、姉のマーガレット・ヤングが掃除機の裏側のAC/DC(交流・直流兼用)表示から、掃除機のように騒々しいバンドだと例えたことがバンド名の由来だとされる。
余談ではあるが、 AC/DCとはバイ・セクシャルを表す隠語でもあり、結成当初はよくゲイ・バーから出演依頼が殺到したそうだ。
そして、この頃バンドの機材車のドライバーだったのが後のボーカリスト、ボン・スコットであった。
1974年9月、正式にボン・スコットをボーカリストに迎え、翌年1月、わずか10日間で録音した
デビュー・アルバム『ハイ・ヴォルテージ(High Voltage)』、同年12月のセカンド・アルバム『TNT』はオーストラリアのアルバム・チャートNo.1を獲得する。
初のイギリス公演では、アンガスのプレイが話題となり英国で無名だったAC/DCは僅か2ヶ月後にはメジャー・バンドにその名を連ねる。
特に英国大手音楽誌“サウンズ”が、 AC/DC、アンガス・ヤングを強力にバック・アップした。

1976年には米アトランティックと契約し、アメリカ進出。
以後、AC/DCの快進撃は留まることを知らなかったが80年2月19日の
ボン・スコットの死でバンドは転機を迎え、新たなボーカリスト、ブライアン・ジョンソン加入で2003年頃までツアー活動が確認されている。
バンドに圧倒的なロック・キッズの支持をもたらしたのは、紛れもなくアンガス・ヤングであった。やはり姉のマーガレット・ヤングの提案からなる、スクール・ハット、半ズボン、ネクタイ、Yシャツ、ブレザーというスクール・ボーイ・スタイルに、ギブソンSGという出で立ちは充分にユーモラスでありセンセーショナルではあったが、人々の眼が釘付けになったのはそれらの奇妙なコスチュームを凌駕するアンガスの年齢不相応なギター・テクニックと、一瞬たりとも止まることのないステージ・アクションだった。

アンガス・ヤングは主にギブソンSG+マーシャルのオーヴァー・ドライブ・サウンドをトレード・マークとし、シンプルなチャック・ベリー・スタイルを軸にブルース・スケールのペンタトニック・ノート(ルート、♭3rd、4th、5th、♭7th)以外の2nd/9th、♭5th、6thも活用したフレージングが特徴的である。
『地獄のハイウェイ(Highway to Hell)』収録の“Shot Down in Flames”におけるギター・ソロがその典型で、2小節目ではチャック・ベリー・フレーズ、4、7小節目では 6th、♭5th、 2nd/9thを使った16分音府の早弾きで、アンガス・ヤングのギター・スタイルの要となっている。

アンガス・ヤングの近影は兄マルコムと打って変わり、お寒い頭になっているが、
ローリング・ストーンズのミックやキースに敬愛され、ストーンズのツアーに参加したりしている。
また蛇足だが、80年代からオランダのGelderland townに住むアンガスは、今年オランダのQuoteというビジネス誌の長者番付に名を連ねたそうである。
なんとその資産は約113億2682万円だという……。
●故ボン・スコット在籍時のアンガス・ヤング!TNT(1976TV Live)●故ボン・スコット在籍時のアンガス・ヤング!●故ボン・スコット、Shot Down in Flames!●アンガス・ヤング、自画像を描く!●アンガス・ヤング、ギター・レッスン!
●Let's get it up!(Live)●アンガス・ヤング、インタビュー!(2000年)●AC/DCベルリン・ライブ(2003年Live)●AC/DC with Rolling Stones!Blog Ranking
←Click! We Love “ROCK”!! テーマ:YouTube動画 - ジャンル:音楽
- 2007/04/10(火) 17:41:40|
- 大人のロック。
-
| トラックバック:1
-
| コメント:8
こんばんわ!
アンガス・ヤングって財産管理をしっかりとしてたんですね~!
全部使ってしまうようなイメージがあったのですが(^^)
ジョージという長男が居たとは知りませんでした。
マーガレットも含めて兄弟姉妹バンドになっていた
可能性もあったかも知れないですねぇ。
- 2007/04/10(火) 19:17:03 |
- URL |
- JIM #JalddpaA
- [ 編集]
JIMさん
>こんばんわ!
アンガス・ヤングって財産管理をしっかりとしてたんですね~!
全部使ってしまうようなイメージがあったのですが(^^)
インタビューの様子など見ても、意外にしっかりした性格だと推測されます。
僕はマルコムが実質のバンド・リーダーだと思っていたのですが、ベース、ドラマーの解雇などアンガスの判断が先攻するようです。
>ジョージという長男が居たとは知りませんでした。
マーガレットも含めて兄弟姉妹バンドになっていた
可能性もあったかも知れないですねぇ。
笑。
マーガレットというお姉さんが、初期にマネージャー的な存在だったのかも知れませんね。。
- 2007/04/11(水) 11:27:59 |
- URL |
- noodles2 #-
- [ 編集]
TNTのライブ映像にはまってしまいました(^^)
アンガスはあれだけ動きながらよく弾けるなあ。
何気にかなり上手いギタリストですよね。サウンドも
凄くかっこ良いですし。
Let's Get It Upのライブ、荒々しいカッティングが
素晴らしい!
- 2007/04/11(水) 22:42:40 |
- URL |
- カブリエル #RDRaKwtQ
- [ 編集]
ガブリエルさん
>TNTのライブ映像にはまってしまいました(^^)
僕も発見して嬉しかった!
まだ完璧なスクール・ボーイ・スタイルです(笑)
>アンガスはあれだけ動きながらよく弾けるなあ。
何気にかなり上手いギタリストですよね。サウンドも
凄くかっこ良いですし。
酸素補給して、駆け回るのがプロ魂を感じます♪
>Let's Get It Upのライブ、荒々しいカッティングが
素晴らしい!
この曲は僕もコピーしたので、ず~っと探していたんです。
以前AC/DCを取り上げたときはは、未だなかったんですよ!
- 2007/04/12(木) 11:22:04 |
- URL |
- noodles2 #-
- [ 編集]
kouichi wkさん
>SGといえばアンガスですよね~
ご訪問&コメントありがとうございます。
昔、僕もギブソンSG(80年モデル)を買いました(笑)。
- 2007/04/13(金) 12:22:38 |
- URL |
- noodles2 #-
- [ 編集]
生まれはスコットランドなんですね。
そして今は、資産家ですか。
長者番付に名を連ねるなんてすごいですね。
確かに最後の写真を見るとハードロックギタリストというより、
資産家のほうがしっくりきますね。
AC/DCはあまり聴き込んでないので詳しくはないですが、
ストレートなロックはいつ聴いてもカッコいいですよね。
AC/DC with Rolling Stones! ではSGじゃなくてセミアコですねー。
Keith Rechards に合わせたのか、渋く決めたのか、時の流れを感じます。
とはいえ、ダックウォークやら尻振り(!?)などのパフォーマンスは健在ですねー(笑)
- 2007/05/26(土) 18:07:00 |
- URL |
- Penguinland #-
- [ 編集]
Penguinlandさん
>生まれはスコットランドなんですね。
そして今は、資産家ですか。
長者番付に名を連ねるなんてすごいですね。
確かに最後の写真を見るとハードロックギタリストというより、
資産家のほうがしっくりきますね。
マルコムよりもアンガスの方が、バンドのイニシアチブを握っているようですね。僕も勘違いしていたことです。
>AC/DCはあまり聴き込んでないので詳しくはないですが、
ストレートなロックはいつ聴いてもカッコいいですよね。
僕にはHMというより、HRバンドという認識があります。
>AC/DC with Rolling Stones! ではSGじゃなくてセミアコですねー。
Keith Rechards に合わせたのか、渋く決めたのか、時の流れを感じます。
とはいえ、ダックウォークやら尻振り(!?)などのパフォーマンスは健在ですねー(笑)
頭のお寒い状況は時を感じさせますが、ストーンズに認められたアンガスとマルコムに喝采を贈りたいです♪
まだまだ現役で活躍してほしいです。
大金持ちになっても。。。
- 2007/05/28(月) 11:32:45 |
- URL |
- noodles2 #-
- [ 編集]
土曜の夜から声が全然でなくなって、日曜は[E:tennis]練習も全日本観戦の予
- 2009/11/15(日) 20:53:32 |
- いはらblog