
「世界で共通なのは、数学と音楽だけだ」
ジミー・ペイジの人生語録だそうだ。
本名ジェイムス・パトリック・ペイジ。
英国ミドルセックス、ヘストンにて、1944年1月9日、父ジェイムスと母パトリシアの間に一粒種として生を受ける。
8歳のときに音楽に興味を持ち、ラジオや友人宅でピアノに親しむ自転車好きのスポーツ少年でもあった。
そして彼が13歳のときに、“歴史は動いた”。
ロックに寛大だった両親のもと、母親がスパニッシュ・ギターを買い与えた。
16歳でニール・クリスチャン&クルセイダーズに参加、初のプロ・ステージを踏む。
僅かなライブ活動ながら、若き天才ギタリストとしての名を馳せることになるが、ハード・スケジュールにより身体を壊しバンド脱退。

彼は絵の道を選択し、アート・スクールに通いだす。
しかし、週末には自宅に仲間を集めギターを手にセッションを繰り返す。
仲間が仲間を呼び、友人のガール・フレンドの弟も彼を慕い足を運んだ。
それが、ジェフ・ベックである!
この頃、噂が噂を呼び、
ローリング・ストーンズの育ての親アレクシス・コーナーから彼のバンド“ブルース・インコーポレイテッド”へ加入の誘いを受けるが、絵の道にこだわり辞退している。
そのかわり、彼らが毎週木曜にマーキー・クラブで演奏しているステージにはセッションで参加。
このとき、観に来ていた
エリック・クラプトンとの交遊が始まる。
18歳で初レコーディングを経験。
このシングルは全く売れなかったにも関わらず、スタジオ・ミュージシャンとしての依頼が殺到するようになる。
そのため独学で譜面の読み書きを習得。仕事をこなしていく。
18歳でスタジオ・ミュージシャンとして英国中の話題の的となった彼は、ついにアート・スクールを退学。
1963年~65年の間に彼が参加したレコードは、ザ・フー、ローリング・ストーンズ、キンクス、ドノヴァン等々、当時の英国のレコードの90% に至ったという。
1966年6月、22歳のときヤード・バーズに加入。
ジェフ・ベックとのツイン・ギターが話題となるが、同年暮れにベックが脱退。
ヤード・バーズはジミーのサイケデリック傾向一色となり、メンバー間の諍いを招き1968年7月のルートン工業大学のステージを最後に解散する。

バンド活動への限界という失意のもと、ロンドンから30マイルの郊外ハングホーンに引き蘢った彼はテームズ河岸ヴィクトリア王朝風の船小屋で暗中模索を続けていた。
そして、ニュー・ヤード・バーズ結成を誓う。
その頃、ジミー・ペイジのニュー・ヤード・バーズ構想はロンドン中の話題の的となったといわれる。
まもなく彼の信棒者ジョン・ポール・ジョーンズがベースとして選ばれ、ロバート・プラント(V)、ジョン・ボーナム(D)が参加。ニュー・ヤード・バーズが始動する。
しかし、このユニットの可能性に驚愕した彼は全く新しいバンドの未来を予見したためバンド名を改名。
ここに晴れて
レッド・ツェッペリンが誕生するのである。

興味深いのは、彼がこのとき如何にレッド・ツェッペリンとしてのこのユニットに惚れ込んでいたかである。
後年1980年9月24日“ボンゾ”ことジョン・ボーナムが悲劇の急逝。
残ったメンバーはボンゾの後任を全く考えなかったという。
「ボンゾがいないなら、ツェッペリンも終わりだ」
多分、ボンゾでなくとも4人のうち誰かが欠けても一緒だったはずだ。
同年、12月4日解散を表明。
1982年『CODA』で、文字通り“終結”する。

レッド・ツェッペリンの始動から解散まで、ジミー・ペイジが究極としたジョン・ポール・ジョーンズ、ロバート・プラント、ジョン・ボーナムの個性が彼に与えた影響は顕著であり、この3人がいなければジミー・ペイジはツェッペリンをここまでのバンドには出来得なかったであろうし、彼自身の演奏スタイルもエリック・クラプトンやジェフ・ベックと並び賞されることもなかったであろう。

テクニック面でいうと、アレンジメント・ソロ(フレージングをあらかじめ決めたソロ演奏)が特徴的で、スタイルとしてはクラプトン、ベック、ジミ・ヘン同様B.B.キング、バディー・ガイ、フレディー・キング等のブルース・ギターの影響が濃い。
しかし、名曲“天国への階段”のイントロを観てもブルースのペンタトニックを基調に、6th/F音を活用し、独自のメロディ・ラインを構築している。
ソロ以外のバッキングの才能も秀逸で、“ブラック・ドッグ”“ハート・ブレイカー”など、リフの天才と賞賛され、以後のHR/HMギタリストのお手本として羨望の的であることはいうまでもない。

まさか、このブログを読んでくださる方にレッド・ツェッペリンを知らない方はいないと思うが、もし未だ貴方がツェッペリンを聴いていないなら、是非聴いてみてほしい。
リフ主体のHR/HMサウンドの基本が、全て網羅されていることに衝撃を受けるはずだ。
※今回はYouTube直リンではありませんが、貴重な動画発見。
面倒でもURLを入力して、お楽しみください。それだけの価値はあります!!●Whole Lotta Love
http://www.drummerworld.com/Videos/johnbonhamwhole.mov
●Mody Dick
http://www.drummerworld.com/Videos/johnbonhammobydick.mov
●The Ocean
http://www.drummerworld.com/Videos/johnbonhamocean.mov
●Rock And Roll
http://www.drummerworld.com/Videos/johnbonhamrocknroll.mov
●Kashmir
http://www.drummerworld.com/Videos/johnbonhamkashmir.mov
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- 2007/03/13(火) 15:15:17|
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| コメント:10
こんばんは、酔っ払いです。
3大ギタリストを排出したヤードバーズですが、
結局の所、ゼップの前身になったみたいですね。
ヤードバーズの曲は初期のレインボウがカヴァーした
【Still I'm Sad】しか知りませんけど(汗)
ゼップの曲は特に好き!って訳ではないのですが、
ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナム、
そしてロバート・プラントと、ジミー以外にも
凄いメンバーが揃っていたんですね。
それにしても【天国への階段】は名曲です!
韓国ドラマ【天国の階段】とは関係有りませんが(←だったら書くな!)
友人から初めてゼップのテープを借りた時に、
「凄い良い曲が1曲あるから・・・」
と言われたのが【天国への階段】でした。
マイナー・キーの曲が好きな私にとってはツボでした(^^)
- 2007/03/13(火) 21:38:45 |
- URL |
- JIM #JalddpaA
- [ 編集]
JIMさん
>こんばんは、酔っ払いです。
3大ギタリストを排出したヤードバーズですが、結局の所、ゼップの前身になったみたいですね。
ヤードバーズの曲は初期のレインボウがカヴァーした
【Still I'm Sad】しか知りませんけど(汗)
僕もアルバムしか所有してなく倉庫に入れてあるので、CD借りてレビュー書かなきゃと思っているところです。
>ゼップの曲は特に好き!って訳ではないのですが、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナム、そしてロバート・プラントと、ジミー以外にも凄いメンバーが揃っていたんですね。
ですね!
でも、ロバート・プラントの近影を観ると痛いです。(当ブログ、バッド・カンパニーの記事に掲載してます)
>それにしても【天国への階段】は名曲です!
韓国ドラマ【天国の階段】とは関係有りませんが(←だったら書くな!)
友人から初めてゼップのテープを借りた時に、「凄い良い曲が1曲あるから・・・」
と言われたのが【天国への階段】でした。
マイナー・キーの曲が好きな私にとってはツボでした(^^)
ツェッペリンの項でも書きましたが楽器店のギター売り場で、当時皆天国~のイントロを試奏するので、店員が辟易して“天国への階段試奏禁止”の張り紙がされたそうです(笑)。。。
- 2007/03/14(水) 13:03:55 |
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- noodles3 #-
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このおじさん、妙に日本人くさい顔なんですよね。
そして、クマみたいに馬鹿でかくて太い指。
私は実は外人さんの顔が良く憶えられない人だったりするのですが、(特にひげ面になったりすると見分けがつかない)ジミー・ペイジはあまりのインパクトの強さに一度で憶えてしまいました。
それと、10代後半くらいからよく聞いていた、渋谷陽一さんの番組で執拗にかかっていた(笑)「天国への階段」(当時の私もこの曲には惚れました。)を、「この人が弾いてるんやで。」と、ダンナに写真を見せられまして。。。
「ああ、このぶっとい指であの名曲が弾かれていたんか~。」と、なんだか嬉しいのか悲しいのかよく分からない気持ちになったことを覚えております。(手フェチ)
なんだか、毎回こんなへっぽこなコメントですいません。
- 2007/03/14(水) 22:41:23 |
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- てんてん #-
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てんてんさん
>このおじさん、妙に日本人くさい顔なんですよね。
そして、クマみたいに馬鹿でかくて太い指。
正にギタリスト体系と指です(笑)。
>私は実は外人さんの顔が良く憶えられない人だったりするのですが、(特にひげ面になったりすると見分けがつかない)ジミー・ペイジはあまりのインパクトの強さに一度で憶えてしまいました。
そうなんだ~。
でも、HR/HM界には他にもインパクトある顔の奴いっぱいいますよ!
>それと、10代後半くらいからよく聞いていた、渋谷陽一さんの番組で執拗にかかっていた(笑)「天国への階段」(当時の私もこの曲には惚れました。)を、「この人が弾いてるんやで。」と、ダンナに写真を見せられまして。。。
ああ、渋谷陽一はツェッペリンオタクですから!
>「ああ、このぶっとい指であの名曲が弾かれていたんか~。」と、なんだか嬉しいのか悲しいのかよく分からない気持ちになったことを覚えております。(手フェチ)
手フェチだったんすね(笑)?
>なんだか、毎回こんなへっぽこなコメントですいません。
とんでもない!
このブログはマニアじゃなく、当時を知らない若い人むけに書いているんです。(充分マニアックだって)。。。。。。
- 2007/03/15(木) 15:24:55 |
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- noodles2 #-
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noodles2さん、お久しぶりです。
きましたねぇ、ジミー・ペイジ。世界で一番過大評価されているギタリスト、なんて言われたりもしますが、それでも彼の作り出したリフとか、バッキングでのとんでもないプレーとか、ギタリストとしてよりもミュージシャンとして評価するほうがいいのかもしれません。
僕自身は彼のプレー(はもちろんですが)よりもスタイルに最初惹かれたものでした(今では単におじさんになってしまいましたが)。レスポールはひざで弾く!!(←彼から学んだこと)
今では探せなくなってしまいましたが、以前YoutubeでRock'n Rollのライブ映像があって、ここでもついついジミーばかり見てしまいましたね。ソロを弾く姿とかほんとかっこいい。
演奏自体は…確かに細かいミスも多いし、正確さを要求される昨今の風潮からするとちょっとつらいものもありますが、ジミーの場合はどんな音を出すか、ということに重きを置いていたとも聞きますしね。
そういえば、以前「王様」(覚えています?洋楽の日本語コピーをしてた人)がRock'n Rollを演奏していたんですが、そのソロのプレーのピッキングミスがジミーそっくりで笑った覚えがあります(笑)。
- 2007/03/19(月) 04:02:16 |
- URL |
- パグジー #-
- [ 編集]
バグジーさん
>noodles2さん、お久しぶりです。
きましたねぇ、ジミー・ペイジ。世界で一番過大評価されているギタリスト、なんて言われたりもしますが、それでも彼の作り出したリフとか、バッキングでのとんでもないプレーとか、ギタリストとしてよりもミュージシャンとして評価するほうがいいのかもしれません。
その通りだと思います(笑)。
ギタリストとしては下手な人だと思います。。
>僕自身は彼のプレー(はもちろんですが)よりもスタイルに最初惹かれたものでした(今では単におじさんになってしまいましたが)。レスポールはひざで弾く!!(←彼から学んだこと)
今では探せなくなってしまいましたが、以前YoutubeでRock'n Rollのライブ映像があって、ここでもついついジミーばかり見てしまいましたね。ソロを弾く姿とかほんとかっこいい。
以前の書きましたが、ガンズのスラッシュなどもろにそうですよね!
>演奏自体は…確かに細かいミスも多いし、正確さを要求される昨今の風潮からするとちょっとつらいものもありますが、ジミーの場合はどんな音を出すか、ということに重きを置いていたとも聞きますしね。
ライブ盤のブルースのソロとかもミスだらけでした(笑)。
>そういえば、以前「王様」(覚えています?洋楽の日本語コピーをしてた人)がRock'n Rollを演奏していたんですが、そのソロのプレーのピッキングミスがジミーそっくりで笑った覚えがあります(笑)。
おお、王様はミスまでコピーしていましたか!
王様はまだばりばりに活躍されているようですね♪
- 2007/03/19(月) 13:39:15 |
- URL |
- noodles #-
- [ 編集]
TBさせていただきました。
そちらからTBできないのはなぜなんでしょうね・・・。
>この3人がいなければジミー・ペイジはツェッペリンをここまでのバンドには出来得なかったであろうし、
>彼自身の演奏スタイルもエリック・クラプトンやジェフ・ベックと並び賞されることもなかったであろう。
これには大きくうなずきました。
Led Zep がなかったら Jimmy Page は他の2人に比べて、
少し見劣りしてたかもしれないと思えてきます。
彼はクリエイターとしては素晴らしいのですが、
プレイヤーとしてちょっと・・・というのがありますからね。
- 2007/04/09(月) 01:14:17 |
- URL |
- Penguinland #-
- [ 編集]
Penguinlandさん
>TBさせていただきました。
そちらからTBできないのはなぜなんでしょうね・・・。
何度か試みているのですが。。。
>>この3人がいなければジミー・ペイジはツェッペリンをここまでのバンドには出来得なかったであろうし、
>>彼自身の演奏スタイルもエリック・クラプトンやジェフ・ベックと並び賞されることもなかったであろう。
>これには大きくうなずきました。
Led Zep がなかったら Jimmy Page は他の2人に比べて、
少し見劣りしてたかもしれないと思えてきます。
彼はクリエイターとしては素晴らしいのですが、
プレイヤーとしてちょっと・・・というのがありますからね。
人の人生にピークがあるのだとしたら、間違えなく彼等に置ける人生のピークはツェッペリンだったのだと思えます。
そして、ボンゾの死がバンドのコーダだったことも一層そういう思いにさせますね。。
- 2007/04/10(火) 13:33:28 |
- URL |
- noodles2 #-
- [ 編集]
Led Zeppelin アーティスト: Led Zeppelin 出版社/メーカー: Atlantic 発売日: 1969/1/12 メディア: CD どの世界において
- 2007/04/09(月) 00:21:07 |
- PENGUINLAND
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- 2011/01/17(月) 23:51:32 |
- 建築バカ一代