
最も派手なステージ・アクション!
最もパワフルなリズム・ギタリスト!
パンク、モッズからヘヴィ・メタルと、数世代に渡って支持され続けるザ・フーのギタリスト、ピート・タウンゼントは、1960年代のジミヘンやベックといった同世代ギタリストにも強い影響力を誇っていた。
※ザ・フーの来歴は、
ここで。
1945年5月19日。
ピート・タウンゼント(本名ピーター・デニス・ブランフォード)は、ロンドン、チズウィックに生を受けた。
因に、1945年とは第二次世界大戦終結、国連が発足された年である。
父親がサックス奏者、母親がヴォーカリストで、両親共にビッグ・バンドで働くプロ・ミュージシャンであった。
そんな中、幼いピート・タウンゼントが、最初に手にした楽器はハーモニカだった。
1956年、11歳の頃に初めてギターを手に入れた。
当初は友人の自作ギターを弾いたのがはじまりだったが、そんな原始的なギターを弾きこなすのを見た祖母が、誕生日にアコースティック・ギターをプレゼントしたという。
父親から基本的な弾き方を学び、コードやハーモニーについては本から独学で学んだ。譜面の勉強はしなかったそうで、
「もっと譜面の勉強をしておけばよかったって、いまでも後悔しているよ。作曲家として他のライターとか共作者、プレイヤーと意思疎通の面で不自由を感じるんだ。もし読譜を学んでいたら、仕事も人生もだいぶ違った感じになっていたと思うよ」(ピート・タウンゼント談)
と、語っている。
この頃、ギターと同時にバンジョーも弾きはじめたピート・タウンゼントは、トラディショナルなジャズ、ディキシーランド、ブルーグラスに傾倒し、派手なギター・スタイルはなんとバンジョーを弾いたことから起因すると語っている。

さらにポップス、ロックンロールへと興味が広がり、イングランドの
ジョニーキッド&ザ・パイレーツのミッキー・グリーンの演奏からは、3弦の音幅のある強烈なチョーキングを学びとり、以後、
●ジェイムズ・バートン●リンク・レイ●ハンク・マーヴィン●チェット・アトキンスといったミュージシャンや、ジャズ・ギタリストからは、
●ウェス・モンゴメリー●バーニー・ケッセル●ケニー・バレル●ジョニー・スミス●チャーリー・クリスチャンなどから影響を受けたとされる。
この頃、
ミッキー・ベイカーの著書『Complete Course In Jazz Guiter』から、コード・チェンジについて学んだ。
1961年、最初のロック・バンド、ザ・ディトゥアーズに参加。
ロジャー・ダルトリーからもらった、ソリッド・ボディのエレクトリック・ギターを弾いていた。
この頃のピート・タウンゼントは、
「ジャズとポップスの影響力を一緒に引き出したのが、R&Bだって気がしたんだ」(ピート・タウンゼント談)
と、語っており、アート・スクールに通いながら、
●マディ・ウォーターズ●ボ・ディドリー●チャック・ベリー●レイ・チャールズ●ジミー・スミスといったミュージシャンに触れ、
●ジョン・リー・フッカー●バディ・ガイ●B.B.キング●フレディ・キング●ジミー・リード●ハウリン・ウルフなどからも、強い影響を受けたとされる。
1964年、ハイ・ナンバーズのシングル “ I'm The Face/Zoot Suit ” でレコード・デビューを飾る。このバンドが後にザ・フーと改名することとなる。

1965年、ザ・フーのシングル “ I Can't Explain ” と、アルバム『My Generation』発表。
この頃、リッケンバッカーのフルアコ1996(6弦)や、1993(12弦)など、何本ものギターを手にするが、ステージでことごとく破壊するパフォーマンスを繰り返す。
また、当時のザ・フーのマネージャー、キッド・ランバートから、17世紀のイングランド人の作曲家
ヘンリー・パーセルを薦められ、強烈なインパクトを受ける。
「バロックのサスペンションが溢れていたんだ。これ以上ないってほど、深く影響されたよ。すぐに自分たちのデモを書きはじめたんだけれど、それはシンフォニーのサスペンションを全て網羅したっていっていいくらいだった」(ピート・タウンゼント談)
そしてこの頃、トレンド・ミュージックを強く意識するようになり、
●エリック・クラプトン●ピンク・フロイド●ジミヘンなどを聴きに、クラブやコンサートに出かけるようになる。
同時に、米国のジェイムズ・ギャングのジョー・ウォルッシュ(現
イーグルス)にも感化され、互いの楽器を交換したりセット・アップを教わったりしている。

相変わらず使用ギター、
●フェンダー・ストラトキャスター
●フェンダー・テレキャスター
●フェンダー・エレクトリックXII
●フェンダー・ジャズマスター
は、ことごとくステージで破壊され、1960年代後期には、ギブソンSGのサウンドが気に入り、メイン・ギターとなるが、はやり破壊され続けた。
そんな中、手元に残されたヴィンテージ・ギターは、
●1957年製グレッジ6120チェット・アトキンス
●1953年製ギブソン・レスポール
●1950年代後期のギブソン・フライングVは、ジョー・ウォルッシュからもらったもの。
●ダンジェリコ・ニューヨーカー、アーチドトップ・ジャズ・ギターも所有していたが、これはボートを買うために売ったそうである。
使用弦は、1960年代はフェンダーのレギュラーセット、1970年代初期に例外的に「.022 .028 .028 .032 .044 .056」。1980年代にはアーニー・ボールの「.011〜.052」で、3弦にはプレーン弦を張っていた。

アコースティックでは、
●ギブソンSJ-200
●タカミネのエレアコ
といったギターを好み、アーニー・ボールの「.013〜.056」を張っていた。

なんといっても、右腕をぐるぐる回転させながら弾くウィンドミル(風車)と呼ばれる奏法が取り沙汰されることの多いピート・タウンゼントだが、ルート/5度音、ルート/5度音/ルートによる、パワー・コードを発明したり、フィード・バックのコントロールにいち早く取り組んだり、ピック・アップのセレクト・スイッチを素早く動かしマシン・ガンのような擬音を鳴らしたり、チューニングをわざと外したり、マイク・スタンドでネックを擦りノイジーなサウンドを鳴らすなど、創意工夫に溢れたギタリストでもあり、アップ・ダウンストローク・カッティングで、フラメンコ・スタイルの16分音符での3連符など、彼ならではのテクニックでもある。
1966年、ピート・タウンゼントの激しいステージ・パフォーマンスに巻き込まれて負傷した、ドラマー、キース・ムーンがバンド脱退をほのめかす。
1967年、ドラッグで告発、収監された
ストーンズのミック・ジャガーと
キース・リチャーズのため、ストーンズの曲をレコーディング。その収益を二人の救済資金に提供する。
1969年、ロック・オペラ『Tommy』作曲。ウッドストック・フェスティヴァルに出演。
「トミー」オリジナル・サウンドトラック1971年、ザ・フーの最も成功したアルバム『Who's Next』リリース。
ザ・フー/フーズ・ネクスト+71972年、初のソロ・アルバム『Who Came First』レコーディング。
ピート・タウンゼント/フー・ケイム・ファースト(スペシャルプライス盤)(CD)1975年、映画ロック・オペラ『Tommy』が、ニューヨークでプレミア公開。この席でクラプトンが、ヘロイン中毒から再復帰するにあたり、力を貸してくれたピート・タウンゼントに謝意を述べた。
ロックオペラ「トミー」コレクターズ・エディション / ロジャー・ダルトリー1978年、キース・ムーン死去。
1982年、ザ・フー解散。
前述したように、様々なトリッキー奏法はピート・タウンゼントが先なのか? はたまたジミヘンが先なのか? 気になるところである。
ピート自身のこんな談話もある。
「ジミヘンを聴いたときなんて、天にも昇る心地だったよ」(ピート・タウンゼント談)
残念ながら、真相は謎であるが、こんな談話もある。
「ギターを最初にフィード・バックさせたのは、絶対にピート・タウンゼントなんだ。彼がはじめたことが他の多くの連中、例えばベックやジミヘンなんかの功績になっちまってるのさ。ステージでギターをぶっ壊したのもピートが最初さ。もちろん彼のコードセンスも最高だよ」(
リッチー・ブラックモア談)
ロック・マニアの間で、いつも囁かれることだが、日本でのザ・フーの知名度は極めて低い。だが、ザ・フー及びピート・タウンゼントを知らずして、ロックは語るなかれ、とあえて僕はいいたい!
♪THE WHO 公式サイトそれでは、THE WHO、ピート・タウンゼントの動画をチェック♪
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- 2008/03/04(火) 18:00:00|
- 大人のロック。
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