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スティーヴ・ハウ/大人のギタリスト講座27。

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英国を代表するプログレッシブ・ロック・バンドといえば以前にも紹介したイエス
イエスといえばギタリスト、スティーヴ・ハウにスポットを当ててみたい。

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1947年4月8日。
スティーヴ・ハウは、ノース・ロンドン、ハロウェイに生を受けた。
因に同年4月1日、日本では学校教育法が施行され六三制が始まり、英国では8月15日にインドとパキスタンが独立。そんな世相である。

幼い頃のスティーヴ・ハウは両親が所有した、マントヴァーニローレンス・ウェルクレス・ポールなどのレコードを聴いて育った。そして初めて自分で買ったのが、ビル・ヘイリーのレコードであった。

「まだロックンロールが産声を上げたばかりだったけど、ギターを弾きたいっていう強い気持ちに駆り立てられたんだ。それまでは家中をひっくり返し、両親を落胆させていただけの子供だったんだけど、自分でも気がつかいないワイルドな部分が自分の中からわき上がってきた感じだった」(スティーヴ・ハウ談)

1959年のクリスマス。
彼は両親から、念願のギター、fホールのアコースティック・ギターをプレゼントされる。そして、
●チャック・ベリー
●リンク・レイ
●ジョニー・キッド&ザ・パイレーツのミック・グリーン
●リッキー・ネルソンのバンドにいたジェイムズ・バートン
●カール・パーキンス
などなど、コピーに明け暮れる日々を送ることとなる。

この頃から、既にインスト・ナンバーを好み、サント&ジョニーのスティール・ギター・インスト“Sleepwalk”は、後にスティール・ギターをプレイするきっかけにもなった。さらにシャドウズの“Apache”も熱心にコピーした。

無論、上記ロックンロールのルーツでもある、ブルースにも夢中になった。
●ライトニン・ホプキンス
●ビッグ・ビル・ブルーンジー
●マディ・ウォーターズ
●バディ・ガイ
から、特に影響を受けたとされる。

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スティーヴ・ハウお得意のジャズ・アプローチは、兄からの影響で、
●バーニー・ケッセル
●ケニー・バレル
●ジャンゴ・ラインハルト
●タル・ファーロー
●チャーリー・クリスチャン
●ウェス・モンゴメリー
から、影響された。

1965年18歳の頃には、クラシックに目覚めヴィヴァルディに魅せられたという。
影響を受けたクラシック・ギタリストは、
●ジュリアン・ブルーム
●カルロス・モントヤ
●レオ・ブローザー(ブラジリアン・ギタリスト)
●カルロス・バーネル
●マーチン・シンプソン(ケルト系ギタリスト)

そんなスティーヴ・ハウであるが、譜面は読めないそうだ。
上記オール・ジャンルのプレイヤーから影響を受けながらも、テクニックよりはむしろフィーリングやトーンを学んだと語っている。

ジョージ・ベンソンより、ジョージ・ハリソンに共感するんだ。」(スティーヴ・ハウ談)

そして驚くことに、レッスンも一度も受けた経験がないという。

「ギターを弾く上で、自分の“好奇心”に勝るどんな教育も受けたことはないよ」(スティーヴ・ハウ談)

1964年、シンディ・カッツのシングル“Maybellene/True To Me”で、レコーディング・デビュー。
このとき使用したギターは、友人から買った日本製グヤトーンLG50だった。

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次に彼が手にしたのは、バーンズのジャズ・エレクトリック。
そしてロンドン楽器店セルマーで、新品のギブソンES-175Dを購入。
以後ほとんどのレコーディングに使用されたこのギターは、トーンを変えるためハムバッキング・リアPUを逆にして使う以外、ノーマル使用のままである。
使用弦はギブソンの「.012 .012 .015 .028 .044 .056」である。

「1971年にイエスと初めて全米ツアーに行ったときも、ES-175Dを恐れ多いと思っていた。まるで宝石が散りばめられた王冠を預かっているような気持ちで持ち歩いたよ。いまでもその気持ちは変わっていない。」

1966年、イン・クラウドで演奏開始。
1968年、キース・ウェストとトゥモローを結成。“My White Bicycle”がヒット。
しかし脱退し、新たにボーダストというバンドを結成。
1969年、P.P.アーノルドのギタリストとしてツアー、デラニー&ボニーの前座を務める。因にこのときのデラニー&ボニーのギタリストは、エリック・クラプトンであった。
1970年、ジョン・アンダーソン、クリス・スクワイアー、ビル・ブラッフォード、トニー・ケイのイエスに参加。
1971年、イエス『こわれもの/Fragile』発表。


イエス/こわれもの

それまでのイエスのギタリスト、ピーター・バンクスはロック・ギター・アプローチを信条としており、シンフォニック・サウンドの導入に否定的だったとされ、多種多様なジャンルのギター演奏を得意とするスティーヴ・ハウの参加により、イエスの表現性が拡大され、ムーグ、シンセサイザーを駆使するリック・ウェイクマンの加入とともに、バンドは大きな飛躍期に突入したのである。

前述のギブソンES-175Dもさることながら、イエスの輝かしい功績の中で、彼は100本以上の素晴らしいギターを収集している。
●ギブソン・スーパー400
●ギブソン・ES5スイッチ・マスター
●グレッジ6120
●ヘリテイジ・スウィート16
●ギブソン1971年製ES-345TD
●1980年代ギブソンESアーティスト
●リッケンバッカー360
●ギブソンEDS1275-6&12弦ネック
●ダン・エレクトロ12弦
●コラール・エレクトリック・シタール
●フェンダー・ラップ・スティール、デュアル6ダブル・ネック・スティール
ほか、ギブソン・レスポール、レスポールJrや1955年製フェンダー・テレキャスター、スタインバーガーGM4Tと、そのコレクションは多義に亘る。
弦はギブソン・ミディアム・ゲージを使用。

アコースティック・ギターでは、
●1953年製マーティン00-18
●オランダ製カスタム・メイド、Scharpach SKD
●マーティンJ12-65M
●ギルドF212CR-NT
●マーティンOM-45
●ギブソン・カントリー・ウェスタン
●ギブソンL-4C
●ギブソンL-5
●1973年製コーノNo.10(ナイロン弦)
●1976年製ホセ・ラミレス1Aフラメンコ・マスター(ナイロン弦)
弦はマーティン・ライト・ゲージを使用。

「スティーヴ・ハウのサウンドがなにかって聞かれたら、ES-175ってことになるかな。でも12弦のアコースティックもよく使うよ。結局、異なったものが出すノイズを集めたってことになるかな」(スティーヴ・ハウ談)

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ロック、ブルース、ジャズ、クラシック、カントリーと様々なジャンルから影響を受けたスティーヴ・ハウのギター・スタイルの特徴は、親指と人差し指でピックをはさみ、残りの指でフィンガー・ピッキングを駆使するもので、左手は開放弦やスタッカート、レガートなフレーズにプリングを取り入れるスタイルが特徴的である。また、開放弦をいくつか鳴らしたまま、それに関連したコード・スケールを下から上に上昇させながら、まるで12弦ギターのような響きを表出させるのも、彼ならではのスタイルである。

「流行りの音には興味はないな。常に僕はトラディショナルなギタリストだったからね。クラシックやジャズの影響も大きいけど、プレイ中になにができるかってことが大事なんだ。だから、僕の音はいつも同じようにできあがるとは限らない」(スティーヴ・ハウ談)

1980年、イエス脱退。
ジョン・ウェットン、カール・パーマー、ジェフ・ダウンズらとエイジアを結成。
いやあ、懐かしい!
当時のMTV人気にも乗り、大成功を収めた。


エイジア/詠時感~時へのロマン

以後、様々なプロジェクトに参加しながら、1988年にイエスの分家バンド、アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ結成に関わり、紆余曲折を経て1996年イエスに再加入、現在に至るが、2006~2007年のエイジア再結成ツアーで
昨年来日。
近影は、異常ともいえるほど老けているが、精力的に活動を続けている。

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♪スティーヴ・ハウHP



それでは、動画をチェック!
●Beginnings 1975
●Clap
●Sketches in the Sun
●Mood for a Day
●yes - roundabout
●Yes - Siberian Khatru
●yes - and you and I
●yes - "Revealing Science Of God" (Part 1)
●yes - "Revealing Science Of God" (Part 2)
●yes - "Revealing Science Of God" (Part 3)
●yes - Ritual pt. 1 improved - 1975
●Asia - Heat Of The Moment
●Asia-OnlyTimeWillTell
●Asia - Sole survivor
●Asia - Don't Cry
●Asia - Wildest Dreams
●The Gates of Delirium (Soon the light)
●Cardiff 28 June 2006 YES Fragile





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テーマ:YouTube動画 - ジャンル:音楽

  1. 2008/01/22(火) 16:19:50|
  2. 大人のロック。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

Don’t Cry

こんばんわ。
先祖探しの旅はした事はない者です。

先祖と言えば、狩野とかいう画家の一派だったのですが
私にだけはその資質が受け継がれておらず、子供の頃の
一番の苦手教科は図工(美術)でした・・・(泣)

レッドストライプの肉は旨そうでしたね!
三平汁、及びUDONも!(←食い物の話かよっ)

Yes はライブ映像をWOWOWで見た筈なのですが
あまり印象に残っていないんですよねぇ。
むしろASIAのポップな曲の方が印象に残っています。

ASIAといえば何度も再結成しているような・・・。
一時期、ガスリー・ゴーヴァンというギタリストも
在籍していましたが、ハウに押し出されたのでしょうか?(^^)
この人、ヤングギターのDVDに出演した事がありまして、
タッピングと、スティーヴ・モーズ的なクロマチックの
下降フレーズが得意なギタリストという印象を受けました。
http://www.youtube.com/watch?v=-yPEewaalik&feature=related

ハウさんですが、若い頃が格好良かっただけに、
老けっぷりが目立ってしまいますね(^^;)
  1. 2008/01/22(火) 19:37:44 |
  2. URL |
  3. JIM #mQop/nM.
  4. [ 編集]

Re:Don’t Cry

J I Mさん

>こんばんわ。
先祖探しの旅はした事はない者です。

>先祖と言えば、狩野とかいう画家の一派だったのですが
私にだけはその資質が受け継がれておらず、子供の頃の
一番の苦手教科は図工(美術)でした・・・(泣)

げっ、マジですか!!!
JIMさんは、狩野派だったのですね!
それだけで、充分じゃないですか。
先祖探しなんぞしなくても「狩野派だっ!」で、済むし。。

>レッドストライプの肉は旨そうでしたね!
三平汁、及びUDONも!(←食い物の話かよっ)

ありがとうございます(笑)。

>Yes はライブ映像をWOWOWで見た筈なのですが
あまり印象に残っていないんですよねぇ。
むしろASIAのポップな曲の方が印象に残っています。

エイジアは80年代前半に、一台旋風を巻き起こしましたね!

>ASIAといえば何度も再結成しているような・・・。
一時期、ガスリー・ゴーヴァンというギタリストも
在籍していましたが、ハウに押し出されたのでしょうか?(^^)
この人、ヤングギターのDVDに出演した事がありまして、
タッピングと、スティーヴ・モーズ的なクロマチックの
下降フレーズが得意なギタリストという印象を受けました。
http://www.youtube.com/watch?v=-yPEewaalik&feature=related

この人、凄っ!!!!!
スティーヴ・ハウより上手いかもです。。
エイジアはもともと、ゲフィン・レコードがスーパー・グループとして企画したもので、リック・ウェイクマン(Key.)、ジョン・ウェットン(B./Vo.)、カール・パーマー(D.)、トレヴァー・ラビン(G./Vo.)でバンドを結成して欲しいと、リックに打診したが叶わなかったようです。
で、基本的にはこの構想が件のエイジアに発展したみたいですね。
僕はアルバム3枚目までしか、聴いていませんでした。

ハウさんですが、若い頃が格好良かっただけに、
老けっぷりが目立ってしまいますね(^^;)

いや~、こんなに老ける人も珍しいと思います(唖然)。。

  1. 2008/01/23(水) 16:22:20 |
  2. URL |
  3. noodles2 #-
  4. [ 編集]

あ~、スティーヴ、毛がある~!!(爆)
去年のエイジア来日の際は、あまりのおじいさんっぷりに度肝を抜かれました。演奏も息切れ気味で、切なかったです。
昔の演奏を思い出して思わずタメイキ。。。

しかし、楽譜が読めない人とは思いませんでした。
  1. 2008/01/30(水) 00:00:35 |
  2. URL |
  3. てんてん #-
  4. [ 編集]

てんてんさん

>あ~、スティーヴ、毛がある~!!(爆)
去年のエイジア来日の際は、あまりのおじいさんっぷりに度肝を抜かれました。演奏も息切れ気味で、切なかったです。
昔の演奏を思い出して思わずタメイキ。。。

はい!
覚えています。
てんてんさんのブログで、老いたハウに驚愕したのでした(笑)。。

>しかし、楽譜が読めない人とは思いませんでした。

今回、調べていてこれには僕も驚きました。
今や、ハウ以上のギタリストはゴロゴロ存在しますが、やはり先駆としての貫禄はありますね、禿げても。。。
  1. 2008/01/30(水) 16:02:15 |
  2. URL |
  3. noodles2 #-
  4. [ 編集]

初めまして
ASIAを検索してこちらへ辿りつきました。
オリジナル再結成してからアルバム2枚だしてその度に来日してくれるようになってなんだか歳を重ねるごとに元気になってるようなハウ爺(勝手にそう呼んでます)YESではやらないような(?)妙な動きで演奏する姿を今年も見られるとは思っていませんでした。
そこでこちらのこの記事を私のブログにリンクしてしまいましたあまりの知識の豊富さに思わず・・・;
もし、不都合ありましたらご報告下さいませ。
勝手に失礼いたしました~!
  1. 2010/04/09(金) 11:08:01 |
  2. URL |
  3. yasuko #Y6exRoDo
  4. [ 編集]

Re: タイトルなし

yasukoさん

> 初めまして
> ASIAを検索してこちらへ辿りつきました。
> オリジナル再結成してからアルバム2枚だしてその度に来日してくれるようになってなんだか歳を重ねるごとに元気になってるようなハウ爺(勝手にそう呼んでます)YESではやらないような(?)妙な動きで演奏する姿を今年も見られるとは思っていませんでした。
> そこでこちらのこの記事を私のブログにリンクしてしまいましたあまりの知識の豊富さに思わず・・・;
> もし、不都合ありましたらご報告下さいませ。
> 勝手に失礼いたしました~!

ご訪問・コメントありがとうございました。
リンクは大歓迎ですが、yasukoさんのブログURLを教えていただけませんか?
  1. 2010/05/11(火) 19:00:02 |
  2. URL |
  3. noodles3 #-
  4. [ 編集]

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