ここのところ、往年のロック・バンドの新作ラッシュが続いています。
なんとこの現象は、クラシック・ロック・ブームといわれているらしい。
なんでも命名したがるメディアには頭が下がるが、昨年の
レッド・ツェッペリン再結成 含め、確かに世界中でオヤジのロックが再燃していることは事実。
何かと財布が痛い状況が続くが、1980年代中期に活躍したドッケンまでも6年ぶりの新譜『ライトニング・ストライクス・アゲイン/Lightning Strikes Again』発表!
知らなかったが、2004年に発表した『HELL TO PAY』は、ドン・ドッケンのソング・ライティングが迷走し、不作だったそうで日本発売が叶わなかったとか。
※ドッケンの来歴は、
ここ で。
ドッケンのオリジナル・メンバーは、
ドン・ドッケン(Vo)
ジョージ・リンチ(G)
ジェフ・ピルソン(B)
ミック・ブラウン(D)
1988年、日本公演を最後に解散。
1994年にオリジナル・メンバーで再結成を果たすが、当時のシーンには乗り切れずジョージ・リンチ(G)が脱退。
1999年には、元WINGERのレブ・ビーチ(G)加入。
その後、元ヨーロッパの
ジョン・ノーラム (G)が加入するも、ツアー中の怪我で脱落。ジェフ・ピルソン脱退。
その後ジョージ・リンチとジェフ・ピルソンは、Lynch Mobを結成。
●
Lynch Mob - Wicked Sensation ←動画をチェック♪
●
Lynch Mob - Tangled In The Web ←動画をチェック♪
●
Lynch Mob - River of Love Video ←動画をチェック♪
2004年にジョン・レヴィン(G)と、バリー・スパークス(B)が加入し、現在の布陣となった。
ジョン・レヴィンは弁護士で、ジェフ・ピルソンの顧問弁護士だったらしく、その関係で加入に至ったのだとか……。
さて今作の仕上がりであるが、アルバム名にバンドの人気を決定づけた1985年3rdアルバム『UNDER LOCK AND KEY』収録曲のタイトルを冠したことや、ジャケット・デザインには全米TOP13まで上昇し、最も売れた1987年のアルバム『BACK FOR THE ATTACK』のイラストレイター、デイヴ・ウィリアムスを配するなど、前回の
マイケル・シェンカー 同様、バンド全盛時への原点回帰をことさらアピールしている。
不振だった90年代のアルバムは聴いていないが、ドン・ドッケンのヴォーカル・スタイルは往年の頃と比べると微妙な変化は見られる。
やはり寄る年並にか、全盛時からは多少パンチが落ちた感があり、よりナイーブでセンシティブな方向性が感じられると、僕は思う。
ただ今作が間違えなくメンバーも認める、原点回帰作たる由縁を探るならば、
ジョン・レヴィン のギターである。
これが見事にジョージ・リンチを彷彿させるからだ。
ドッケン Dokken / Back For The Attack (輸入盤CD) 今作と『BACK FOR THE ATTACK』を聴き比べてみた。
一部ではあるがYou Tubeで拾ってみた。例えば、
“ Standing In The Shadows ” と今作の1曲目。
“ Night By Night ” と今作の3曲目。 ←動画をチェック♪
“ So Many Tears ” と今作の9曲目。
“ Sleepless Nights ” と今作の6曲目。
“ Mr.Scary ” と今作の12曲目。 ←動画をチェック♪
“ Dream Warriors ” と今作の11曲目。 ←動画をチェック♪
など、あたかもジョージ・リンチをリスペクトしているとしか思えないほど、ジョン・レヴィンのリフが酷似しているのだ。
01. Standing on the Outside
http://www.dokken.net/songsamples/LSA-SOTO.wma ←曲をチェック♪
02. Give Me a Reason
03. Heart to Stone
http://www.dokken.net/songsamples/LSA-HOS.wma ←曲をチェック♪
04. Disease
05. How I Miss Your Smile
06. Oasis
07. Point of No Return
http://www.dokken.net/songsamples/LSA-PONR.wma ←曲をチェック♪
08. I Remember
09. Judgment Day
10. It Means
http://www.dokken.net/songsamples/itmeans-clip.wma ←曲をチェック♪
11. Release Me
12. This Fire
http://www.dokken.net/songsamples/thisfireisdyin-clip.wma ←曲をチェック♪
最初に聴いたときは、あれ? ギターはジョージ・リンチなのか? なんて間抜けなことを思ってしまった……。
残念ながら、僕が指摘した楽曲がほとんどYouTubeにあがっておらず、説得力に欠けるかも知れないが(悔しい)、お好きな方は是非比べて聴いてみることを薦める。
結論をいおう。
ドン・ドッケンはいい加減気づくべきである!
例え、人間的に反りが合わずとも、ジョージ・リンチとプラス/マイナスの両極でギリギリの緊張感があったればこその全盛時だったことを!!
だから今作を聴きながら、やはり僕は
ジョージ・リンチ の復帰を願って止まない。
♪DOKKEN公式HP [ドッケン] ライトニング・ストライクス・アゲイン ♪試聴は
ここ で。
←One Day One Click! We Love“ROCK”!!
スポンサーサイト
テーマ:HR/HM - ジャンル:音楽
2008/06/18(水) 14:14:24 |
大人のロック。
| トラックバック:0
| コメント:2
すっかり更新が滞ってしまいました。
理由は、今回取り上げるマイケル・シェンカーの問題の新譜である。
ず〜っと、聴きこんでいました……。
『イン・ザ・ミッドスト・オブ・ビューティー/In The Midst of Beauty』は先月21日発売。2年ぶりのオリジナル・スタジオ・アルバムである。
今回のアルバム・クレジットは、MSG・SCHENKER-BARDENとなっている。
2006年11月の日本公演における演奏放棄、2007年夏のアルコール依存によるトラブルからのリハビリ・センター入院などで、さすがに周囲の信用を失いつつあったマイケル・シェンカーが、再びゲイリー・バーデンをヴォーカルに据え、
ニール・マーレイ(B) 、
ドン・エイリー(KEY) 、
サイモン・フィリップス(D) というほぼ1980年ファースト・アルバム『神(帰ってきたフライング・アロウ)/THE MICHEL SCHENKER GROUP』の全盛期と同様の布陣にこだわったことは往々に理解はできる。
単純にMSGでのクレジットを避けたのは、単にこのアルバムはセッション・アルバムだからであり、上記ミュージシャンたちとはバンドとしての正式な契約がかわされておらず、現に8月に決定した来日公演ではマイケル&ゲーリー以外、
クリス・グレン(B) 、
ウェイン・フィンドレイ(G&KEY) 、
テッド・マッケンナ(D) という布陣になっている。
要は、いまやマイケル・シェンカーは自身のギター演奏に主眼を置いており、バンドとしての重要性は重んじてはいない。
ある意味、
イングヴェイ・マルムスティーン 状態である。
どんなに我侭で、弱子な駄目人間であろうと、あくまで “ 神 ” と崇めてくれる日本のありがたいファンのため、MSGの全盛時回帰をアプローチしたところで、今回のアルバムの仕上がりまでも名作ファーストの域に達するものでもない。
僕も兼ねてから主張してきたことだが、 マイケル・シェンカーという孤高の天才ギタリストが今ひとつ世界メジャーに乗れなかったのは、ヴォーカリストに恵まれなかったからだ。
特にゲイリー・バーデンが仇となっていると、僕は思う。
今回の懲りないゲイリー・バーデン起用に、マイケル・シェンカーという人のギタリストとしてのワンマンぶりと大いなる勘違い、あるいは精神的なもろさが相変わらず垣間見れてしまうのだ。
肝心な今作のマイケル・シェンカーの演奏は、残念ながら光輝く名曲はないにせよ、ソリストとしてばかり取り沙汰されてきた彼にしては、随所にハッとするほどのリフが散りばめられている。
01.
CITY LIGHTS ←曲をチェック♪
02. COMPETITION
03.
I WANT YOU ←曲をチェック♪
04. END OF THE LINE
05.
SUMMERDAYS ←曲をチェック♪
06.
A NIGHT TO REMEMBER ←曲をチェック♪
07.
WINGS OF EMOTION ←曲をチェック♪
08. COME CLOSER
09.
THE CROSS OF CROSSES ←曲をチェック♪
10. NA NA
11. I AM THE ONE
12. IDE ON MY WAY
※全曲、シェンカー/バーデンがソング・ライティング。
3、4、6、8、10のヘヴィなリフは、非常に僕好み♪
6における、
パープル のスモーク・オン・ザ・ウォーターを彷彿させるリフも愛嬌で、相変わらずの泣きのソロも健在なのである。
しかし、である!
それらの全てをゲイリー・バーデンのヴォーカルがぶち壊す。
ゲイリー・バーデンとてよる年並にか、まずシャウトがない。まあ、下手なので無理にシャウトしてほしくもないが、ステージではどうするつもりなのか?
彼的にはミュートの効いた大人なヴォーカル・スタイルという境地なのかも知れないが、どえらい勘違いである。
ただでさえ、ヴィヴラートでピッチが外れる弱点があるのに、盛んにそれを繰り返す。さらに下手糞なラップまでやっちまうもんだから、もうグチャグチャ。
台無しである……。
ほんとにゲイリー・バーデンって男は、根っからのイモなのだ。
実は今作のヴォーカルには、当初、あの
パープル の
グレン・ヒューズ にも白羽の矢をたてていたそうである。
だが、原点回帰にこだわったマイケル・シェンカーは、ゲイリー・バーデンを選んだのだ。
大体、バンドとしてピークは1982年の
グラハム・ボネット 在籍時である。
グレン・ヒューズが良かったのかは、さておき。
自身の栄光を阻み続けてきたゲイリー・バーデンをもって、原点回帰とするマイケル・シェンカーの今後は、相変わらず茨の道としか、僕には思えない……。
イン・ザ・ミッドスト・オブ・ビューティー ♪試聴は
ここ で
※過去のマイケル・シェンカー記事。
●
マイケル・シェンカー/大人になれないオヤジのロック2 。
●
UFO(お宝動画付き)/大人になれないオヤジのロック38。 ●
スコーピオンズ/大人になれないオヤジのロック41。 ●
SUPER ROCK '84 IN JAPAN/大人になれないオヤジのロック60。 ←One Day One Click! We Love“ROCK”!! テーマ:YouTube動画 - ジャンル:音楽
2008/06/12(木) 14:59:39 |
大人のロック。
| トラックバック:0
| コメント:6